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フェラーリの仮想スポーツ、1030馬力ツインターボ+326馬力トリプルモーター…『ビジョン・グランツーリスモ』発表

  • 《photo by Ferrari》
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フェラーリは11月27日、ブランド初の仮想スポーツカー、フェラーリ『ビジョン・グランツーリスモ』(Ferrari Vision Gran Turismo)を初公開した。ゲームシリーズ『グランツーリスモ』のためにデザインされた。

◆フェラーリ最初のレーシングカーの誕生75周年を締めくくる
フェラーリのビジョン・グランツーリスモは、フェラーリが初めてバーチャルモータースポーツの世界専用に向けて制作した未来的なデザインを持つシングルシートのコンセプトカーだ。ル・マン24時間やデイトナ24時間など、耐久レースで成功を収めた1960年代から1970年代のフェラーリのスポーツプロトタイプの世界からインスピレーションを得ている。

また、大胆なプロポーションの下には、『330 P3』や『512 S』など、フェラーリの数々の名車のDNAを表現した。耐久レースの未来を印象づけることを目指したという。

ボディサイドを飾るカーナンバー75は、フェラーリのヘリテージを示している。2022年は、フェラーリ最初のレーシングカーの『125S』が生産された1947年から、75周年の節目にあたる。ビジョン・グランツーリスモは、同車の75周年を締めくくるモデルになる。

◆フェラーリが特許を取得したエアロダイナミクス技術
デザインは、スピードを体現するフォルムを中心に据えて構想された。幾何学的かつシャープで鋭角的なラインが、有機的なフォルムを支えている。このコントラストが複雑な印象を生み、外部と内部を覆う面の柔軟性と、ラインの幾何学的な正確性との組み合わせが、即座にそれと分かる個性となっている、と自負する。

アーキテクチャーを支えるのは、エアロダイナミクスだ。2か所のサイドダクトがコンセプトのベースとなっている。フェラーリが特許を取得したこのソリューションによって、気流はフロントのアンダーボディからコクピット周辺へ、そしてサイドポッドへと導かれる。このソリューションが、アンダーボディ中央部で発生する推進力と吸着力の変動によって、効率的に空力ダウンフォースを生み出す。

リアのエアロダイナミクス開発では、ディフューザーと2段式リアウィングが重視され、『499P』をインスピレーションとするコンセプトが活用された。また、フロントのSダクトとホイールアーチに組み込まれた排気口が、空力効率をさらに高め、高速走行時の安定性を引き上げるという。

◆0~100km/h加速2秒以下で最高速350km/h以上
パワートレインは、「296」シリーズや499Pと同じく、3.0リットルV型6気筒ガソリンツインターボエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドだ。このエンジンは最大出力1030ps/9000rpm、最大トルク91.8kgm/5500rpmを発生する。

リアアクスルと左右のフロントホイールの3基の電気モーターが、合計326psのパワーでエンジンをアシストする。ハイブリッドテクノロジーには、フェラーリがF1で開発を重ねた電気的なブーストと回生エネルギーに関する技術が生かされている。これがバッテリーの充電状態を常に最適に管理するので、ドライバーは電気モーターを組み合わせたパワーを最大限に活用できるという。

乾燥重量は1250kgに抑えられた。トランスミッションは8速デュアルクラッチを組み合わせる。0~100km/h加速2秒以下、最高速350km/h以上のパフォーマンスを想定している。

◆シングルシーターのインテリア
シングルシーターのインテリアには、エクステリアのデザインが拡張され、ピュアでミニマリストな手法でドライバーにとって最適な機能性と人間工学を追求した。ダッシュボードのラインは、クリーンで最低限なものとした。

V6ハイブリッドパワートレインを覆うシースルーのエンジンカバーと同様に、透明な素材によって、ステアリングホイールのメカニカルコンポーネントが見えるように設計された。HMI(ヒューマン・マシン・インターフェイス)は、簡単に素早く操作できることを目指した。これにより、ドライバーは常に目の前のコースだけに集中できる、としている。