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【VW ID.4 発表】ライバルはアリア、モデルY、アイオニック5、ATTO3…強みはVWであること

  • 《写真撮影 雪岡直樹》
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  • 《写真撮影 雪岡直樹》
  • 《写真撮影 高木啓》
  • 《photo by Tesla》
  • 《写真撮影 吉澤憲治》
  • 《写真提供 BYDジャパン》
  • 《写真撮影 雪岡直樹》
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  • 《写真撮影 雪岡直樹》
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日産『アリア』、テスラ『モデルY』が鎬を削るEV SUV市場に、ある意味「真打ち」の参入と言えるかもしれない。22日、フォルクスワーゲン ジャパンは満を持して『ID.4』の日本市場での展開を開始した。

■ひしめく競合車種との差別化は?
発表会の内容と短時間の試乗のみでの評価となる。フィールドでの充電性能などはまだ未知数なので正確な評価はできないが、価格帯はアリアやモデルY、ヒョンデ『アイオニック5』と競合する。普及モデルの「Lite」グレードはおそらく(22日現在で正式な価格は発表されていない)BYD『ATTO3』とぶつかるのではないかと予想される。囲み取材では、発表会のプレゼンターを務めたアンドレア・カルカーニ氏(フォルクスワーゲンジャパン・ブランドディレクター)に、これら競合しそうなモデルとID.4の違いを聞いてみた。

「違いは100%フォルクスワーゲンのEV SUVであるという点です」との答えだ。国内市場で70年もの歴史と実績がある同社のブランド、サポート体制、供給体制、拠点網などが差別化ポイントだということだ。BYDやテスラの品質は年々向上している。テスラなどは、初期のフリーモント工場製より上海工場製やテキサス工場製など最新工場のモデルを指名するオーナーもいるほどだ。しかし、それらがフォルクスワーゲンのブランドロイヤリティと同じかというと、やはり違うものと言わざるを得ない。定量化できないがブランドとはそういうものだ。

言ってしまえばID.4はEVとしての突出した性能はないかもしれない。だが、おそらくどの機能も平均かそれ以上のクオリティであり、万人が満足する車に仕上がっている。カルカーニ氏も「ID.4はファミリーユーザーを意識した」という。フランクこそないが広い荷室。ゆったりしてアクセスしやすい後席。開放感あるパノラマルーフ。リアモーターのアクスル(ID.4はRRである)と「MEB」プラットフォームのなせる技だ。国内では十分と思われる航続。自宅にウォールボックスを設置できるなら、家族のQOLは上がりそうだ。

■早ければ年内に納車
日本向けのID.4はドイツのツヴィッカウ工場で製造されるという。早ければ年内にも契約者のもとへの納車が始まるそうだ。多くの国産車の納期が見えにくい中、供給体制が見えているのも海外製造の輸入車の強味だ。

先行メーカーが切り開いた市場(EV SUV)に、後発ながらトータルパッケージでそれに対抗できる車両を投入する。この戦略がとれるのは全体としてマス市場をおさえているところだけだ。世界でも、おそらくフォルクスワーゲンとトヨタくらいだろう(残念ながらトヨタはEV市場でまだその力を見せていない)。冒頭にあえて「真打ち」としたのはそういった理由からだ。