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モータープールで車が勝手に移動してくれる管制システム

  • 《写真撮影 吉田瑶子》
  • 《写真提供 SEOUL ROBOTICS》
  • 《写真撮影 吉田瑶子》
  • 《photo by BMW》
  • 《photo by BMW》
  • 《photo by BMW》

レベル2とはいえ、ADAS車両はコンピュータがアクセル・ブレーク・ステアリングを自動制御できる機能を持っている。制約条件下ならば、バレーパーキングや自動駐車以上の仕事を車にやらせてもいいのではないか? SEOUL ROBOTICS(ソウルロボティクス)の技術がまさにこれだった。(オートモーティブワールド秋2022)

BMWのモータープールでは、インフラ協調型だが無人の車が自律的にスロットに収まったり指定の場所に移動している。工場の最終ラインからでてきた車両が自動運転でモータープールまで「自走」していく。ブースでは動画でこの様子が流れていた。BMWはSEOUL ROBTICSの技術を使ってこれを実現しているという。

制御はインフラ協調型なので、エリアを統合監視するステーションが必要だ。カメラやLiDARでエリア内の車両の状況を認識する。各車両の管制制御を行うのはクラウド上の管理システムだ。カメラやLiDARからの情報を解析して、各車両に必要な指令を送る。ステーションとクラウドとの接続は4Gまたはローカル5Gを利用する。あるいは各国のV2Xの無線通信の利用も可能だ。車両への指示は、車両に備わった4G、5G、V2Xの通信機能を利用する。

車両側にはDCMやV2Xの通信機能とレベル2以上のADAS機能(ステアリングやブレーキ、アクセルなどのバイワイヤー制御)があれば、このシステムのために特別な設定、追加装備は必要ない。

同社では、レンタカー会社、中古車競売、フォークリフトの自動化、無人倉庫のAGV、搬送ロボ、トラックの自動運転(港湾、採石場などでは類似の技術で一部実用化されている)などに応用が考えられるとする。

自動車運搬船の積み込み、積み下ろしの自動化がこれで実現できないだろうか。新車を輸出入するときに活躍する自動車専用の貨物船だが、その積み込みは職人技のドライバーの運転によってぎりぎりの間隔で配置される。このシステムの位置特定精度は4cmだという。