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【トヨタ GRカローラ】「モリゾウエディション」誕生のきっかけは豊田社長の「野性味事件」だった

  • 《写真撮影 宮崎壮人》
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  • 《写真撮影 宮崎壮人》
  • 《写真提供 トヨタ自動車》
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  • 《写真提供 トヨタ自動車》
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  • 《写真提供 トヨタ自動車》
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トヨタ自動車が6月1日に公開したグローバルコンパクト『カローラ』のスポーティ仕様、『GRカローラ』。仕様はストリートタイプの「RZ」と後席なしの2シーター、トラック特化型の「モリゾウエディション」の2グレード構成。

開発のきっかけとなった「野性味事件」
このモリゾウエディションはGRになる前のメーカーカスタマイズブランドG's時代から受け継がれてきたハイパフォーマンス版「GRMN(ジーアール・マイスターオブニュルブルクリンクの略)」に相当する車両。そのグレード名がGRMNではなくモリゾウエディションとなったのは、モリゾウのニックネームでモータースポーツ活動を行っている豊田章男・トヨタ社長が試作車に乗って発した「野性味が足りない」の一言が開発のきっかけだったからだと、開発責任者の坂本尚之氏は語る。

「GRカローラは『GRヤリス』と同じ1.6リットル3気筒ターボエンジンを搭載していますが、GRヤリスは軽量なため敏捷で戦闘力が高い。そこにあの“野性味事件”。これはもう突き抜ける仕様を作るしかないなということで、通常のGRカローラと並行してモリゾウエディションを作ることにしたのです」

「RZ」と「モリゾウ」、作り分けられた2つのGRカローラ
高性能版はまず基本形を作り込んでからそれに性能をアドオンする形で開発されることが多いが、GRカローラの場合、最初から基本形とモリゾウエディションを同時並行で開発したという。

「並行開発したからこそそれまであまり意識していなかったことがハッキリと意識できたことも少なくありません。一例は足まわりのチューニング。ワインディングロードで良いパフォーマンスを示したチューニングがサーキット走行では邪魔になったり、サーキットで良いものが一般道では良くなかったりすることが多々あるのはよく知られていますが、それを同時に見比べられたのはエンジニアとして新鮮でした」

モリゾウエディションは最大トルクが通常モデル比プラス30Nmの400Nm(40.8kg・m)に増強され、それに合わせて変速機も高耐トルク、1~3速クロスレシオ化、加速力増強のため最終減速比を4.08:1から4.25:1へのローギアード化等々、スーパー耐久シリーズに出場している水素エンジンGRカローラと同スペックのものが使用されている。ボディについては強度確保に有用な接着剤工法部分を通常のGRカローラ比で3.3m増。ショックアブゾーバーは前後とも高圧モノチューブ式、前についてはチューブを固定側に配置する倒立型としてさらに応答性を高めている。

「モリゾウエディションは強烈なダイレクト感、ソリッド感が身上。必ずや驚いてもらえると思っています。ラップタイムは数値目標ではなくあくまで結果ではあるのですが、富士スピードウェイのタイムアタックでは2分を切る1分59秒433を記録しました。それに対してGRカローラのほうはワインディング、一般道でも乗りやすく、楽しくというストリート型のモデル。ハッキリと作り分けることが出来ました」(レーシング&テストドライバー・石浦宏明氏)

発売は今冬というGRカローラ。どのようなテイストを持ったクルマに仕上がっているかが楽しみなところだ。