注目の自動車ニュース

ブガッティの10台限定ハイパーカー、気温マイナス20度での耐寒テスト開始…『チェントディエチ』

  • 《photo by Bugatti》
  • 《photo by Bugatti》
  • 《photo by Bugatti》
  • 《photo by Bugatti》
  • 《photo by Bugatti》
  • 《photo by Bugatti》
  • 《photo by Bugatti》
  • 《photo by Bugatti》
  • 《photo by Bugatti》
  • 《photo by Bugatti》
  • 《photo by Bugatti》
  • 《photo by Bugatti》
  • 《photo by Bugatti》
  • 《photo by Bugatti》
  • 《photo by Bugatti》
  • 《photo by Bugatti》
  • 《photo by Bugatti》
  • 《photo by Bugatti》
  • 《photo by Bugatti》
  • 《photo by Bugatti》
  • 《photo by Bugatti》
  • 《photo by Bugatti》

ブガッティは2月1日、世界限定10台を生産する予定の新型ハイパーカー『チェントディエチ』(Bugatti Centodieci)の耐寒テストを、気温マイナス20度の環境下で開始した、と発表した。

◆耐寒テストではサイドウィンドウの作動などを確認
ブガッティのエンジニアは、チェントディエチのさまざまな部品を、気温マイナス20度のテストルームで、1週間かけてチェックしている。耐寒テストのひとつが、サイドウィンドウに関するものだ。

このテストでは、サイドウィンドウを何百回も上下させ、測定器を使用してその力を測定する。モーターの出力だけでなく、摩擦、シール抵抗、ギア、ガラスなど、すべてを正確に調整する必要がある。シールの素材やウィンドウのサイズなどに変更がある場合は、セットアップによって動きが異なってくるため、テストを繰り返す必要があるという。

サイドウィンドウは、気温に関係なく確実に上昇する必要があり、乗員の指などを検知した場合、挟み込み防止の停止・反転機能を確実に作動させる必要がある。エンジニアは、防寒服や帽子、手袋を装着して、気温がマイナス20度に設定されたテストルームで、テストを繰り返している。

◆ブガッティが1990年代に生産した『EB110』へのオマージュ
チェントディエチは、ブガッティの創業110周年記念モデルであり、ブガッティが1990年代に生産した『EB110』へのオマージュとして開発された。車名のチェントディエチとは、イタリア語で110を意味している。

EB110は1991年に発表され、ブガッティブランドの復活を印象づけたスーパーカーだ。EB110には、パワーアップ版として「SS」が用意されていた。車名のSSとは、「スポーツ・ストラダーレ」の略だ。3.5リットルの排気量を備えたV型12気筒ガソリンエンジンに、4個のターボチャージャーを組み合わせ、最大出力611psを獲得していた。6速MTを介して、0~100km/hを3.2秒で駆け抜けるというスーパーカーだった。

EB110は、イタリアのカンポガリアーノで生産された。ブガッティの元オーナーのロマーノ・アルティオーリは、ブガッティを創業したエトーレ・ブガッティの生誕109年の1990年9月15日、イタリアに工場を開設した。そしてアルティオーリは翌1991年、エトーレ・ブガッティの110歳の誕生日に、スーパースポーツカーのEB110を公開した。

◆シロンをベースに専用のボディをデザイン
ブガッティによると、チェントディエチの開発と設計に関しては、多くの技術的課題に直面したという。EB110は1980年代後半に開発されており、非常にフラットで、くさび形の古典的デザインが特徴だ。一方、チェントディエチのベース車両の『シロン』は、複雑なエアロダイナミクスフォルムを備えており、シロンベースでEB110のようなデザインを構築することに苦労したという。

フロントには、馬蹄形のラジエーターグリルを装着した。新開発のフロントスポイラーは、フロントバンパーの3分割エアインテークに似合うようにデザインされた。ノーズは非常に低く、象徴的なブガッティホースシューは、低いノーズに合わせて小型化された。これらのデザイン要素により、EB110のモチーフを再現しているという。LEDデイタイムランニングライトを組み込んだヘッドランプは、スリムなデザインが特長だ。

ボディサイドでは、BピラーのCラインが、シロンよりも大幅にコンパクト化された。5つの丸型エアインサートを、ダイヤモンドの形で配置した。W16気筒エンジンの冷却に、充分なエアインテークを備えている。

◆最大出力は100hpプラスの1600hpに
チェントディエチのミッドシップに搭載されるパワートレインは、シロンの8.0リットルW16気筒+4ターボがベースのエンジンだ。オイルクーラーに吸気口を追加することにより、エンジンの冷却性能を引き上げるなどの専用チューンを受けた。最大出力は1500hp/6700rpmから、1600hp/7000rpmに、100hp向上している。

トランスミッションは7速デュアルクラッチ「DSG」で、駆動方式は4WDだ。チェントディエチはシロンに対して20kg軽量化されており、0~100km/h加速2.4秒、0~200km/h加速6.1秒、0~300km/h加速13.1秒の性能を発揮する。最高速は380km/h(リミッター作動)に到達する。

チェントディエチは10台のみを、フランス・モルスハイムで、ハンドメイドで組み立てる計画だ。価格は800万ユーロ(約10億2450万円)だが、10台は完売している。2022年内に、10台の納車を完了させる計画だ。