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トヨタ『GRMNヤリス』、スポット溶接と接着併用でボディ剛性を高める

  • 《写真撮影 関口敬文》
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東京オートサロン2022のトヨタGAZOOレーシングブースに、『GRMNヤリス』のフレームが飾られている。フレームをよく見ると、赤いシールと青いシールが貼られていることがわかる。これは、赤いシールがスポット溶接を行なっている部分で、青いシールが構造用接着材を使用した部分となっている。

GRMNヤリスは、すでに発売されている『GRヤリス RZ“High performance”』に比べ、スポット溶接打点数は545点増やされ、構造用接着材に至っては12m長く塗布されている。この変更により、ボディ剛性が大幅に強化され、ドライバーの操作に、よりダイレクトにクルマが反応する。

担当者にこの構造用接着剤とスポット溶接の使い分け、強度や剛性について詳しく聞いてみた。「使い分けについては、溶接がしづらい場所で、しっかりと強度を上げなければならない場所には接着剤を使っている。スポット溶接の場合、溶接の機械がアーム状になっていて、両側から挟み込むような形、たとえるとホッチキスのような形で溶接するので、溶接用機械のアームが入りづらい場所は、接着剤を使うことが多くなる」

「強度だけで考えると、基本的にスポット溶接は鉄を溶かしてつなげているため、非常に強い。ただ接着剤は接着面積が大きいので、剛性という観点になると、接着剤の方が効いてくる。衝突とかボディの強度耐久性を上げたいところは基本的にはスポット溶接を使って、剛性で効かせたいところ、たとえば骨格のつなぎなどは積極的に接着剤でくっつけていくと、ねじり剛性が体感的に上がっていく」

「シミュレーションでどこが弱いのかなどを確認しながらポイントは決めているが、GRMNヤリスはほとんどポイントを絞らず、フルスペックで構造用接着剤とスポット溶接を行なっている。普通のクルマの場合、ドアの開口部にたいして一周全部スポット溶接を行なうことはない。センタートンネル部分の青い線があるところも、グルッと全部接着することは普通のクルマでは行なわない」とのことだった。