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メルセデスベンツ Sクラス のEV『EQS』、高性能なAMG版を生産開始

  • 《photo by Mercedes-Benz》
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メルセデスベンツは12月16日、メルセデスAMG初の市販EV、メルセデスAMG『EQS 53 4MATIC +』(Mercedes AMG EQS 53 4MATIC +)の生産を、ドイツ・ジンデルフィンゲンの新世代工場「ファクトリー56」で開始した、と発表した。

◆EVと内燃エンジン車を同じラインで生産
ファクトリー56は近代的な生産施設で、革新的な技術とプロセスを導入するのが特長になる。メルセデスベンツによると、ファクトリー56はCO2ニュートラルで、高い生産品質を実現するために、必要なすべてのテクノロジーを備えているという。例えば、工場の屋上の太陽光発電システムによって、年間電力需要の約30%をまかなう。

ファクトリー56では最大限の柔軟性が追求されており、新型『Sクラス』などのさまざまな車種や、EVや内燃エンジン車などの異なるパワートレイン搭載車を、同じラインで組み立てることができる。パワートレインをボディに組み付ける「フルフレックスマリッジ」工程では、異なるパワートレインを同じラインを流れる車体に組み込むことを可能にしている。

また、「MO360」と呼ばれるデジタルシステムの導入によって、生産効率を大幅に向上させた、と自負する。バッテリーシステムは、ドイツ・シュツットガルトのウンターテュルクハイム工場で製造。ウンターテュルクハイム工場は、115年以上の歴史を持つメルセデスベンツの最初の工場で、エンジンをはじめ、ハイブリッドパワートレインや燃料電池システムも生産している。

◆1回の充電での航続は最大586km
EQS 53 4MATIC +には、最新のリチウムイオン技術を採用した強力な400ボルトの新世代バッテリーが搭載されている。蓄電容量は107.8kWhとした。バッテリーマネジメントシステムはAMG専用チューン。「スポーツ」と「スポーツ+」の走行モードでは、パフォーマンスに重点が置かれ、コンフォートモードでは航続に重点が置かれる。新世代のバッテリーは、従来と比較して大幅に高いエネルギー密度が特徴という。蓄電容量も大きい。新機能として、バッテリーマネジメントシステムの更新を、無線でインストールできる。1回の充電での航続は、最大586km(WLTPサイクル)とした。

新世代のバッテリーは、充電時間を大幅に短縮する、と自負する。バッテリーは直流の急速充電ステーションでは、最大出力200kWで充電できる。この場合、19分で最大300km(WLTPサイクル)の航続分のバッテリー容量を充電できる。車載充電器を使えば、自宅や公共の充電ステーションで、最大出力22kWの交流で充電できる。日本では、双方向充電に対応した。さらに、場所に応じて自動的にアクティブ化できるインテリジェントな充電プログラムがある。バッテリーに優しい充電などの機能により、充電がさらに効率的になるという。

ドライバーはステアリングホイールのスイッチにより、3段階で回生ブレーキのレベルを調整できる。「ECOアシスタント」によって、状況に応じて最適な支援を受けることも可能だ。オプションの「DRIVEPILOT」を装備すると、前方を走行する車両を検出して、信号機などで停止するまで自動的に減速を行う。

◆ツインモーターは最大出力761hp
EQS 53 4MATIC +は、ツインモーターが最大出力658 hp、最大トルク96.8kgmを発生する。オプションの「AMGダイナミックプラスパッケージ」では、ブースト機能を備えた「RACE STARTモード」時に、最大出力が761hp、最大トルクが104kgmに引き上げられる。

可変式の「AMGパフォーマンス 4MATIC +」を搭載する。このシステムは、走行状況に応じて、前後アクスルの間で駆動トルクを連続的に配分する。トルク配分は、選択した走行モードによって異なる。コンフォートモードでは、効率に重点が置かれる。スポーツとスポーツ+モードでは、横方向のダイナミクスを高めるために、トルク配分が後輪寄りとなる。

EQS 53 4MATIC +は、80%のバッテリー充電レベルの時、0~100km/h 加速を3.8秒(AMGダイナミックプラスパッケージは3.4秒)で駆け抜ける。最高速はリミッターにより220km/h (AMGダイナミックプラスパッケージは250km/h)に制限される、としている。