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シトロエン C4 新型、フランス本国では市場セグメントで販売首位

  • 《photo by Citroen》
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シトロエン(Citroen)は9月17日、新型『C4』とEV版の『e-C4』が欧州発売開始後の2021年上半期、3万0855台を登録した、と発表した。フランス本国の個人向け販売では、新型フォルクスワーゲン『ゴルフ』を上回り、Cセグメントハッチバックでトップの座を獲得している。

◆シトロエンの最新デザイン導入

新型には、シトロエンの最新デザインが導入されており、Cセグメントハッチバックセグメントの中でも、ユニークかつ大胆なアイデンティティを主張する新たなコンセプトを表現した。ボディサイズは、全長4360mm、全幅1800mm、全高1525mm、ホイールベース2670mm。690mmの大径ホイールに短い前後オーバーハング、156mmの最低地上高が特長だ。シトロエンによると、競合モデルよりもアイポイントが1220mmと高く、ドライバーの視認性を向上させているという。

ボディを高く持ち上げることで、より主張が強められたシルエットによって、ハッチバックのエレガンスとダイナミズムを備えつつ、そこにSUVらしい力強さと個性を融合しているという。フロントマスクには、V字型のシグネチャーライティングが採用された。これは、2020年初頭に発表された新型『C3』のデザインを発展させたものだ。ヘッドライトとクロームシェブロンが、車両の全幅いっぱいに伸びている。最新のLED技術を導入した「シトロエンLEDビジョン」ヘッドライトは、上側がデイタイムランニングライト、下側が3つのLEDモジュールで構成されるヘッドライトとなる。

高い位置に水平に置かれたボンネットは、『C5 エアクロス SUV』のデザインを反映したもので、力強さや堅牢性、エネルギッシュさを表現する。マットブラックのロアスカート付きフロントバンパーは、小さな衝撃に耐える性能を持たせた。マットブラックのホイールアーチは、前後のバンパースカートとボディサイドの「エアバンプ」につながるデザインとした。独特のルーフラインに傾斜したリアウィンドウを組み合わせて、空力性能を追求する。この緩やかに傾斜したルーフや、3つのサイドウィンドウのデザインは、シトロエンの名車『GS』(1970~1986年)を連想させるものとした。

リアは、傾斜したウィンドウや縦型のハッチゲート、スポイラーを採用した。シトロエンによると、2004年の『C4クーペ』のボディ形状からインスピレーションを得ているという。

◆10インチのタッチスクリーン

インテリアは、くつろぎや快適性、モダンさを表現することを重視した。最新の「シトロエン・アドバンスド・コンフォート」プログラムを導入する。クリーンでモダンなダッシュボード、柔らかな形状のドアパネル、複数の収納コンパートメント、柔らかくしなやかな素材などにより、モダンでオールラウンドな快適さの新感覚を表現しているという。

新型には、「アドバンスドコンフォートシート」が採用された。これは、『C5エアクロスSUV』と同様の装備だ。シート内部の新開発の高密度フォームが、シートのへたりや経年劣化を防ぎ、長期間にわたって快適性を維持する。また、室内のスペースを拡大し、助手席側には革新的かつ実用的な新機能を盛り込む。そのひとつが、「スマートパッド・サポート・シトロエン」で、ダッシュボードに組み込まれた機能的な世界初の収納システムだ。Apple の「iPad Air 2」とサムスンの「Tab A 10.5」の専用シェルを使用して、タブレット端末を安全に固定できる。助手席前方のダッシュボードトレイは、クッション付きの大型スライド式引き出しだ。特殊な滑り止めコーティングが施されており、タブレット端末などを安全に保管できる。

新型では、HMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)をさらに追求した。ドライバーの前方のフレームレスHDデジタルインストルメントパネルは、視認性の高いデザイン。オプションの大型カラーヘッドアップディスプレイは、落ち着いた白いサイドムード照明で強調表示され、重要な運転情報を読みやすく直感的な方法で表示する。ダッシュボード中央上部には、車両のコントロールの中枢を担う超薄型のボーダーレス10インチタッチスクリーンが配置されている。

◆「魔法の絨毯」のような乗り心地を追求したサスペンション

サスペンションには、「プログレッシブ・ハイドローリック・クッション」を採用した。シトロエンによると、滑らかかつ快適な「魔法の絨毯」のような乗り心地を追求しているという。

プログレッシブ・ハイドローリック・クッションは、通常のダンパーにセカンダリーダンパーが追加された構造の純メカニカルなシステムだ。ダンパーシリンダー内に第2のダンパーシリンダーが配されており、サイドには複数のポートが開けられている。セカンダリーシリンダーには、その内径にあったセカンダリーピストンが存在し、ストロークが進むとセカンダリーピストンがシリンダーに入り込み、ハイドロリックストップとして作用するポジション・センシティブダンパーだ。

これにより、サスペンションが小さく細かく動く状況や、サスペンションのストロークスピードが低い状況では、減衰力が小さくソフトな乗り心地を可能にする。サスペンションが大きく動く状況では、セカンダリーピストンとシリンダーが生み出す減衰力で衝撃を吸収する。

◆EV版の『e-C4』は1回の充電での航続が最大350km

EVパワートレインのモーターは、最大出力136hp、最大トルク26.5kgmを発生する。スポーツモードでは、0~100 km/h加速9.7秒の性能を発揮する。最高速は150km/hでリミッターが作動する。バッテリーは400Vの高電圧のリチウムイオンで、蓄電容量は50kWhだ。1回の充電での航続は、WLTPサイクルで最大350kmに到達する。e-C4は、エンジン搭載車の進入が制限されている欧州の電動車専用ゾーンに、アクセスすることができる。バッテリーには8年間、または走行16万kmの保証が付帯する。

e-C4には回生ブレーキが装備されており、ブレーキペダルを踏まなくても車両を減速させ、航続を拡大する機能がある。このシステムでは、ブレーキや減速時のエネルギーを、バッテリーに蓄えることができる。これより、ドライバーはバッテリーを充電しながら、航続を拡大できるという。

センターコンソールのモードセレクターによって、走行モードが切り替えられる。走行モードは、エコ、ノーマル、スポーツの3種類だ。モードに応じて、エアコンやEVパワートレインの特性が変化し、ドライバーはダイナミズム重視、エコ重視の走行が選択できる。運転席と助手席の間には、シフトスイッチが配される。このスイッチはメタルのエレガントな仕上げで、R、N、Dの3つのポジションを切り替える。Pはパーキングモードで、Bはブレーキエネルギー回生モードだ。センターコンソールには、電動パーキングブレーキのスイッチがレイアウトされている。