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「ランクル」が14年ぶりの大進化!何が変わり、何を受け継いだのか

  • 《写真撮影 雪岡直樹》
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14年ぶりのフルモデルチェンジとなった国産クロカン4WDの代名詞、トヨタ『ランドクルーザー』。「300系」となった新型は、従来の耐久性、信頼性、悪路走破性の継承と進化、そして世界中のどんな道でも運転しやすく、疲れにくい走りを目指して開発された。

◆サイズはほぼそのままに、200kgの軽量化

「ランクル史上最高の走り」と謳う新型は、プラットフォームを一新。本格オフロード車に最適なラダーフレーム構造をベースとしたTNGAプラットフォームとしている。剛性を従来比20%強化し、かつ車両全体で約200kgもの軽量化を実現した。低重心化と同時に、前後重量配分も50:50に近づけ、ドライバーの意のままの走りに貢献する。

サスペンションも刷新。フロントはハイマウント・ダブルウィッシュボーン式、リアはトレーリングリンク車軸式とした。リアサスペンションはショックアブソーバーの配置を最適化、さらにアームの配置変更により乗り心地と操縦安定性、ブレーキング時の安定した車両姿勢を実現するとしている。

ボディサイズはグレードによって全長と全幅が異なるが、上級グレードの「ZX」(写真のモデル)で全長4985mm×全幅1980mm×全高1925mm、ホイールベースが2850mm。堂々たるサイズだが、80系から続く伝統のホイールベースは踏襲。対地障害角(アプローチアングル32度、デパーチャアングル26度)は先代200系同等以上となっている。また水深700mmまでの渡河性能も実現した。

◆「タフで強靭」+「洗練された大人の魅力」

デザインコンセプトは“Brutal & Sensual all-roader”。「タフで強靭」+「洗練された大人の魅力」だ。ランクルらしさを表現するフロントマスクは伝統を踏襲し、ランプやグリルをハイライトした位置にレイアウト。力強さを表現すると同時に、破損を緩和させるための配置でもあるというランクルらしい意図も込められている。サイドビューは居住空間を車体後方へ押し出したようなキャブバックワードプロポーションとした。原点回帰を思わせるシルエットは、居住空間や荷室の拡大にも貢献する。

インテリアは絶対的な安全・安心と、最上級の快適性を追求。水平基調のインパネをはじめ機能的な造形としながらも、高級感ある室内デザインとしている。また温熱シートとシートベンチレーションをフロント、セカンドシートに装備(ZX、GRスポーツ)。後席からもアクセスできるセンターコンソールボックスは、オプション設定でクールボックスを選ぶことも可能だ。

◆「指紋認証スタートスイッチ」を初採用

パワートレインはV6ツインターボエンジンで、ガソリンは最高出力415ps/最大トルク650Nmを発揮する3.5リットル、ディーゼルは同309ps/700Nmを発揮する3.3リットルとなっている。トランスミッションは、ほぼ全域でロックアップしダイレクトなフィールを実現する10速ATだ。ドライブモードの切り替えだけでなく、「マルチテレインセレクト」では路面状況に合わせた6つのモードを選択可能。ハイレンジ(H4)でも動作が可能となり、より多くのシーンで活用することができるようになった。

また、盗難被害の多いランドクルーザーならではの新機能として、トヨタで初めて「指紋認証スタートスイッチ」を採用。スタートスイッチ中央に指紋センサーを採用。あらかじめ車両に登録された指紋情報と照合し、指紋情報が一致しなければエンジンが始動しない仕組みとなっている。

新型ランドクルーザーの価格は510万円(GX)からで、写真のホワイトボディのモデル「ZX・ディーゼル」は760万円から、グレーボディの「ZX・ガソリン」は730万円から。8月2日の発表時点で、納期は1年以上とアナウンスされている。