注目の自動車ニュース

フォルクスワーゲンのミニバン「マルチバン」に新型登場

  • 《photo by IAA MOBILITY》
  • 《photo by VW》
  • 《photo by VW》
  • 《photo by VW》
  • 《photo by VW》
  • 《photo by VW》
  • 《photo by VW》
  • 《photo by VW》
  • 《photo by VW》
  • 《photo by VW》
  • 《photo by VW》

フォルクスワーゲンは9月6日、ドイツで開幕したIAAモビリティ2021に、新型『マルチバン』(Volkswagen Multivan)を出展した。

フォルクスワーゲンは1985年9月、ドイツ・フランクフルトで開催されたIAA国際モーターショー(商用車)において、商用バンの『T3』をベースにした乗用バージョン、初代マルチバンを発表した。

以来、『T4』、『T5』、『T6』をベースにした乗用ミニバンとして、マルチバンが設定されてきた。2019年には、T6のマルチバンが大幅改良を受け、「マルチバン6.1」にアップデートされた。

◆空冷リアエンジン搭載車に敬意を示したデザイン

新型のボディサイズは、全長4973mm、全幅1941mm、全高1903mm、ホイールベース3124mm。 全長5173mmのロングバージョンも用意する。従来型に対して、ホイールベースは長く、全高は低くなった。エアロダイナミクスを改善することにより、燃費性能を高め、航続を延ばすように設計されている

新型は、歴代モデルのDNAに敬意を表して、水平基調のデザインを採用する。その上で、ワイドなグリルとスリムなヘッドライトを備えた新しいエクステリアデザインを導入した。Aピラーは視認性を向上させるデザイン。最初の3世代がリアに空冷エンジンを搭載していたことに敬意を示して、フロントのエアインテークはボディ同色で塗装された。

新型には、LEDヘッドライトが標準装備されている。オプションで「IQ.LIGHT」が用意されており、「LEDマトリックスヘッドライト」は、対向車のドライバーを幻惑させることなく、コーナリング中でも明るく前方を照射する。IQ.LIGHTシステムは、デイタイムランニングライト機能として、フロントグリルに照明付きLEDラテラルバーが装備されている。

◆前席と後席の間をスライドするセンターコンソール

インテリアには、新開発のモジュール式軽量シートと革新的なテーブルが採用された。前席と後席の間をスライドするセンターコンソールを装備する。このスライド式センターコンソールは、後席での使用時には、格納式テーブルとしても機能する。このコンソールは高さ調節が可能で、3つのカップホルダーが備わる。

従来型のハンドブレーキは廃止され、新型では電動パーキングブレーキを採用した。トランスミッションは、シフトバイワイヤーによって制御されるDSGのみ。シフトレバーはスイッチに置き換えられ、インストルメントパネルに配置された。これにより、乗員スペースが拡大している

新型は3列シートを備えており、最大7名が乗車できる。2列目と3列目のシートは、従来型に対して最大25%軽量化されており、脱着が可能だ。2列目シートは180度回転して、対面レイアウトにできる。3列目シートは、従来のベンチシートから独立3座シートに置き換えられ、1脚ずつ取り外しすることが可能だ。新型は、3列目シートの後ろに469リットルの荷物スペースを確保した。3列目シートを取り外せば、1844リットル(パノラマガラスルーフ装着車で1850リットル)に拡大する。

◆歴代初のPHVをラインナップ

フォルクスワーゲングループの「MQB」プラットフォームをベースに開発された。歴代マルチバン、そして、フォルクスワーゲンの商用車モデルで初めて、プラグインハイブリッド車(PHV)の「eハイブリッド」が設定されている。

新型マルチバンのeハイブリッドのPHVパワートレインは、エンジンが直噴1.4リットル直列4気筒ガソリンターボ「TSI」で、最大出力150psを発生する。モーターは、最大出力115ps。エンジンとモーターを合わせたPHVシステム全体で、218psのパワーを引き出す。トランスミッションは6速DSG。EVモードでは、サイレントなゼロエミッション走行を可能にしている。

二次電池は、蓄電容量13kWhのリチウムイオンバッテリーだ。新型マルチバンのフラットなフロアの下に搭載される。これにより、室内スペースを犠牲にせず、車両の重心を下げて、ハンドリング性能を追求した。充電ソケットは、フロントフェンダーの右側にある。