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マクラーレン『765LTスパイダー』、765馬力の軽量オープン…欧州発表

  • 《photo by McLaren Automotive》
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マクラーレンオートモーティブは7月27日、マクラーレン『765LTスパイダー』(McLaren 765LT Spider)を欧州で発表した。世界限定で765台を生産する計画だ。

マクラーレン765LTスパイダーの「LT」とは、ロングテールを意味し、伝説的なレーシングカーのマクラーレン『F1 GTR ロングテール』に由来する。同車は1997年のFIA GTカテゴリーにおいて、11戦中、5レースで勝利。さらにルマンのGT1クラスでも、3位におよそ30周の差をつけ、ワンツーフィニッシュを達成した。

マクラーレンオートモーティブは、このLTの名前を冠した『675LT』を2015年に、『600LT』を2018年に限定発売した。それぞれ、クーペとスパイダーが用意され、ベース車両に対して、軽量化や高性能化が図られていた。

◆ベース車両の720Sスパイダーよりも80kg軽い

マクラーレン765LTスパイダーでは、軽量化に取り組んだ。例えば、チタン製エグゾーストシステム、F1向けのトランスミッション素材、薄型ガラスなどを採用した。765LTスパイダーの車両重量は1388kgで、720Sスパイダーより80kg軽い。最も近い競合モデルよりも、約100kg軽量という。

また、専用のエアロパーツとして、引き伸ばされたロングテール部分に、「アクティブリアウィング」が装着された。ウィングの角度はオープン走行時でも最適になるように、クーペと異なるセッティングが施された。車内の「エアロ」ボタンを押すと、「ドライバー・ダウンフォース」が起動し、速度に応じてウィングの角度が調整される。ルーフを下ろした際には角度が強まり、気流の乱れで失われるリアのダウンフォースを回復させるという。

インテリアは、モータースポーツに着想を得た。カーボンファイバー製レーシングシート、カーボンファイバー製センタートンネル、カーボンファイバー製フロア、軽量のアルカンターラが採用される。エアコンとオーディオシステムは、重量を最小限に抑えるために装備されない。ただし、追加費用なしで装備できる。

◆ロングテール部分には可動式リアウィング

765LTスパイダーでは、シャシーダイナミクスが強化された。専用のスプリングとダンパーが装備されている。最新のリンク式油圧プロアクティブシャシーコントロールサスペンションが装着された。10本スポークの軽量鍛造アルミホイール、チタン製ホイールボルト、専用のピレリ「P Zero Trofeo R」タイヤを標準装備する。

ブレーキは、カーボンセラミックディスクで、マクラーレン『セナ』のキャリパーと、F1からヒントを得た一体型キャリパー冷却ダクトを組み合わせる。チタン製エグゾーストシステムは、独特の「LTサウンド」を発生し、スチール製システムに比べて40%の軽量化を実現している。

765LTスパイダーには、マクラーレン・コンポジット・テクノロジー・センターで製造された一体成形のカーボンファイバー製フロントフロアが採用された。フロントスプリッター、フロントンパー、下部ドアブレード、サイドスカート、ラップアラウンドのリアバンパー、ロングテール部分の可動式リアウィングは、すべてカーボンファイバー製としている。

◆0~100km/h加速2.8秒で最高速330km/h

765LTスパイダーのミッドシップには、「M840T」型4.0リットルV型8気筒ガソリンツインターボエンジンを搭載する。平面クランクシャフトとドライサンプ潤滑を備え、超低慣性ツインスクロールターボチャージャーと電子制御ウェイストゲートを備えている。LT専用の鍛造アルミ製ピストン、マクラーレン『セナ』で使用されているレイヤーヘッドガスケット、バルブトレインの超高効率カーボンコーティングを採用。専用の燃料ポンプとオイルポンプが流量を最適化し、専用チューンされたエンジンマネジメントシステムが、出力の増加を制御する。これらの結果、最大出力は765ps/7500rpm、最大トルクは81.6kgm/5500rpmへ引き上げられた。

7速「SSG(シームレス・シフト・ギアボックス)」トランスミッションのギア比は、765LTスパイダー用に最適化されており、スロットル入力に対して、ほぼ瞬時のレスポンスを可能にするという。765LTスパイダーは0~100km/h加速2.8秒、0~200km/h加速7.2秒、最高速330km/hの性能を可能にしている。