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ホンダ倉石副社長、GM子会社への巨額投資「十分回収できる」 自動運転分野

  • 《撮影 小松哲也》
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ホンダの倉石誠司副社長は10月30日に都内にある本社で開いた決算説明会で、自動運転分野での協業でゼネラル・モーターズ(GM)子会社に30億ドル近い投資を決めたことに関して「十分回収できるという試算に基づいて出資した」との考えを示した。

ホンダとGMは10月3日、自動運転分野での提携を発表。ホンダは7億5000万ドルを出資してGMの自動運転部門であるGMクルーズの株式5.7%を取得。今後12年間にわたりさらに約20億ドルをホンダがGMクルーズに投資することになった。

今回の提携について倉石副社長は「基本的な目的はホンダが掲げるビジョン、事故ゼロ、CO2ゼロの早期達成に向けてのひとつの布石、また今後とくに北米で発展が期待される無人ライドシェア事業への参入、それから北米での電動クレジットに対するメリットへの期待の3つがある」と説明。

その上で「我々として内部で検討した結果、我々が投資、出資する額について十分回収できるという試算に基づいて出資した」と強調した。

一方、ホンダとGMが提携を発表した翌日に、ホンダとはAIやコネクティッド関連で協業関係にあるソフトバンクがトヨタ自動車と新たなモビリティサービスで提携すると発表したことに関して倉石副社長は「ソフトバンクは我々ともやっているので、そういった意味では、それによって何か規制ができるわけではないし、それによってデメリットになるわけでもない」と静観の構えを示した。

さらに「ホンダとしては我々独自でやる得意分野と、協業してやる分野を棲み分けた上で、ビジョンの早期達成およびお客様に新しい価値や技術が提供できるのであれば、積極的に協業を進めていこうと思っている」と述べた。

ホンダがこの日発表した2019年3月期第2四半期(4-9月期)連結決算は二輪、四輪、汎用の全事業で販売が伸びたことにコストダウン効果なども加わって、本業の儲けを示す営業利益が前年同期比21.7%増の5138億円と過去最高を更新した。

倉石氏副社長は「二輪事業ではインドネシア、インド、ベトナム等で販売台数を伸ばした。四輪事業では北米で昨年来、実施しているマーケット需要に合わせた生産体制の変更によりライトトラックの販売を増加することができた。その結果として上期の営業利益は過去最高となった」と総括した。

これを受けて通期の見通しを上方修正し、営業利益は従来予想から800億円増額の7900億円とした。ただ前期との比較では5.2%の減益となる見通し。