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ダム建設現場で大型ダンプトラックを自動運転—日野と大林組が実証実験 11月に開始

  • 《写真提供 日野自動車》
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日野自動車と大林組は、大型ダンプトラックによる自動運転(レベル4相当)の実証実験を川上ダム(三重県伊賀市)建設現場で11月1日から1か月半実施する。

建設業界では、現場作業員の高齢化や就労人口の減少による労働力不足、夜間や単調作業の生産性向上などの課題を抱えている。日野自動車はこれらの課題解決に向け、車両の自動化などのCASEを活用したソリューションの実現をめざしている。

一方、大林組は省人化や生産性向上といった課題を解決すべく、建機の自動化や自動建機群を一元管理するプラットフォームの構築をめざし、建設現場のロボティクスコンストラクションを推進。

両社は課題解決を加速するために、互いの知見を合わせ大型ダンプトラックの自動運転の実用化に向けて取り組んでいる。今回の実証実験では、夜間の建設現場で稼働する現場内の搬送ダンプに、自動運転車を1台導入する。

使用車両は大型トラック、日野『プロフィア』をベースとした自動運転技術搭載モデル。約1.3kmを最高30km/hで走行する。走行位置や経路は、GNSSデータ、カメラ、LiDARで把握し、前走車がいる場合は全車速ACCで安全な車間距離を保ち、人および障害物を検知すると停止。実証実験では安全を最優先し、システム監視者が乗車する。

走行ルートは、日々採取先が変わるコンクリート骨材ヤードの位置に応じて設定する。狭いカーブや悪路、急勾配も含み、有人ダンプと混在した現実的な環境下での実証実験を実施。運行への影響を検証し、全車自動運転車だけでの運用を検討するとともに、建設現場の自動化に向けた建機連携のためのデータ取得を行う。

両社は今回の実証実験の結果を踏まえ、今後は荷積み・運搬・荷降ろしまで一貫したオペレーションや、複数台の自動運転車を活用した現場における運用の新たな構築をめざし、開発や導入に向けた実証を検討していく。