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自動運転シャトルの国内市場、2035年には460台まで拡大 富士経済予測

  • 《写真提供 トヨタ自動車》
  • 《画像提供 富士経済》

総合マーケティングビジネスの富士経済は、自動運転シャトル(自動運転レベル4以上の小型バスタイプ)の国内市場を調査。その結果を「自動運転シャトルの活用の可能性」にまとめた。

過疎地や“オールドニュータウン”などでは、ドライバー不足や公共交通機関の路線撤退などにより交通手段減少が深刻な社会問題となっており、ドライバーレスで小規模輸送が可能な自動運転シャトルの実現が求められている。

2020年5月にはAIとビッグデータを活用することで住民が最先端のサービスを受けられる街づくりを推進するスーパーシティ法案が成立し、人を運ぶだけではなく物流車両としても自動運転シャトルを活用した都市構想が検討されている。今後、自動運転社会の実現に向けて公道走行に関する規制緩和が進むとみられ、自動運転シャトルの活用も広がっていくと予想される。

調査結果によると、自動運転シャトルの国内市場は堅調に拡大し、2030年には170台、2035年には460台が予測される。2021年はトヨタ自動車「e-パレット」20台の導入が予定されており、2023年にはコストを抑えた量産型e-パレットの投入も計画。その他の自動車メーカーも実用化に向けて機能を最低限に抑えたモビリティ開発に取り組んでいる。

用途別では、旅客用途が物流用途に先行して普及が進むとみられる。コミュニティバスはトラックやバスドライバーの人手不足や人口の都市流入による渋滞問題、公共交通機関の路線撤退による公共交通空白エリアの交通手段確保などから導入に対する期待が高い。2021年に導入が開始され、徐々に普及が進むとみられる。また空港でもターミナル間を移動するリムジンバスや飛行機搭乗口まで人を運ぶランプバスでドライバー不足が深刻化。自動運転シャトルの活用が期待されており、2024年頃から導入が始まるとみられ、2035年には公道走行、敷地内走行合わせて260台が予測される。

物流用途では、現状公道走行できないことが普及拡大の阻害要因となり、2030年までは実証実験が中心となる。2030年以降、工場や倉庫、港湾エリア内における構内搬送向けの導入が先行すると予測。また、宅配や物販・サービス向けはエリアが限定的になるものの、需要が高まるとみられ、2035年には公道走行、敷地内走行合わせて200台が予測される。