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【ダイハツ トール 改良新型】正常進化で先進、洗練さを加えて…開発コンセプト

  • 《写真提供 ダイハツ工業》
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2016年11月、家族との繋がりをキーワードとして子育てファミリーの日常にジャストフィットするコンパクトファーストカーとして誕生したダイハツ『トール』がマイナーチェンジした。そのコンセプトは“先進、洗練、進化”だという。

◆先進、洗練、進化

発売から4年経過したトールだが、「幅広いお客様に支持されている」と評価するのは、ダイハツ開発本部製品企画部チーフエンジニアの嶋村博次氏だ。

今回の改良ポイントは、「ダイハツの基本思想である“良品廉価。最小単位を極める。先進技術をみんなのものに”をもとに、安心・安全機能の進化、使い勝手のさらなる向上、時代進化を感じられるデザインと質感向上を織り込んだ」という。

そのデザインのテーマは今回の改良の根幹でもある、先進、洗練、進化だ。標準車では、「フロント周りの迫力を強め、よりスポーティさを感じられるデザインに仕上げた」と説明。インテリアは、「ブラウンのトーンを落とし、シート色も統一することでより落ち着いた雰囲気にし、質感を高めている」と話す。

そしてカスタムのエクステリアも同じテーマのもと、「ワイド感を強めた堂々迫力のデザイン。インテリアは、黒基調はそのままに青のアクセントカラーのトーン落とし、上質感を与えている」と述べた。

また、今回はダイハツ独自のスタイル、「アナザースタイルパッケージ」を設定。外観はトップシェードガラスやメッキアウターハンドルといったメーカーオプションと、ディーラーオプションのエアロパーツを組み合わせた、「お勧めのパッケージ」と嶋村氏。内装は、ハーフレザー調シートとイルミネーションをメーカーオプションとして設定し、「カスタムの上質感をさらに際立たせた」とした。

◆フロントを中心に変更

今回、なぜ先進、洗練、進化がテーマとなったのか。ダイハツデザイン部チーフデザイナーの上畑顕雄氏は、「企画側からこの3つのテーマでデザインしてほしいということだった」とのこと。

嶋村氏は、「“先進”は、先進技術をみんなのものというダイハツのテーマがあるので、安全の進化は必要だと言葉を変えて先進とした。そして“洗練”だが、4年前に登場したトールは軽ではなく小型車市場でしっかりと足を踏ん張っていきたいという思いで投入した。しかし、まだ軽の匂いがするなど、色々な指摘をもらったことから質感向上を洗練という言葉に置き換え、新しく考えた。3つ目の“進化”は、使い勝手等も含めて正常に進化させよう。デザインも含めて、トールのコンセプトがお客様から支持を得られていることから、進化と表現し具現化させた」と語る。

デザインとしては、先進性でイメージしたのは「LEDのヘッドランプだ」と上畑氏。嶋村氏からは、「形状は一緒ながらGグレードから上はLEDを採用。中身も光り方も変えている。また、カスタムについても外形形状は一緒だが、中身を変更。ADB(アダプティブドライビングビーム)機能を搭載し、サイドビューランプも追加した」と説明。上畑氏は、「カスタムのリアコンビも先進イメージとして捉えている」と述べる。

そして洗練について上畑氏は、「グリル周りで表現」。また、「最近造形のトレンドでもあるサイドポンツーン周りをしっかりと見せたいと変更し、そこで時代進化と捉えている」と語る一方、「標準車のバンパー周りにあるハの字のテーマや、フロントグリルにU字のテーマを持たせたカスタムも、現行車ではとても好評だったことから踏襲した」とのことだった。

◆使い勝手は強み、そして質感向上を

さて、マイナーチェンジに向けてユーザーや販売会社の声なども聞いているだろう。そこでトールの強みと弱みは何かを聞いてみた。嶋村氏は、「使い勝手は非常に良いという声が多い」という。特に、「後席のアシストグリップは好評だ。子供から年配の方まで使ってもらえるように幅や握り方の踏まえた形状、位置まで考えた上で設置。また、カップホルダーなども含めた日常での使い勝手の良さも高い評価を得ている」という。また、「おしゃれな室内にしたいと、色々なものを見えないように収納は工夫しているので、そういったところも評価してもらえた」と述べる。

一方で弱みについて嶋村氏は、「ダイハツは軽自動車が背景にあることから、厳しい言葉では『軽自動車みたいだ』などの声もあり、特にシートは何とかならないかという意見があった」。そこで今回の改良では、「骨格までは変えられなかったが、シート形状をしっかり作り込み、クッション長を伸ばすとともに、サイドサポートも張り出すようにして、座り心地と乗降性、走行時の安定性を高める形状にした」と語った。