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ブガッティ『デストリエ』は世界に1台、1600馬力の『ボリード』ベース…全高1m

  • 《Photo by Bugatti》
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ブガッティは、世界に1台だけのワンオフモデルを手がける「プログラム・ソリテール」の第3弾として、『デストリエ』(Destrier)を発表した。

デストリエとは、中世の騎士が乗った最も優れた軍馬の名称に由来する。ブガッティの究極のサーキット専用車『ボリード』をベースに、ウイングやベント、空力付加物を一切取り除き、純粋なプロポーションと美しさを追求した1台だ。

■全高わずか1m、圧倒的な低さ
車高はわずか1mで、ブガッティのどのモデルよりも大幅に低い。ホイールはフロントが20インチ、リアが21インチと、ボリードの18インチから大きくサイズアップされており、削ぎ落とされたボディに対して存在感を放つ。

ボディは「サファイア・セレスト」と名付けられた専用の多層塗装色で仕上げられている。ダイヤモンドからインスピレーションを得たきらめきが塗装内部に組み込まれており、磨き上げられたアルミニウムの加飾が上品な対比を生み出す。この青色には歴史的な意味合いもある。かつて「タイプ57SC アトランティック」(シャシー番号57591)、通称「ポープ・アトランティック」が青色をまとっていたことへのオマージュだ。

■ボリードとの「一つのシャシー、二つの表現」
デストリエはボリードのカーボンファイバー製モノコックを共有する。これはブガッティの歴史的な伝統を受け継ぐものだ。かつてタイプ57シャシーは、1937年と1939年のル・マンを制したタイプ57G「タンク」レーサーと、史上最も美しい車とも称されるタイプ57SC アトランティックの両方を支えた。レースカーと芸術作品が同じ基盤を共有するという思想が、デストリエとボリードにも受け継がれている。

ウインドスクリーン上部には、タイプ57G タンクとタイプ57SC アトランティックを描いた手作業によるレーザー彫刻の銘板が設けられ、この絆を永遠のものとしている。

■デザインの新たな文法
ブガッティのシグネチャーである「Cライン」は、フロントホイールウェルの手前で一度途切れ、ボディが素のまま見える部分を設けてから再びホースシューグリルへと続く。これにより、Cラインが「呼吸する」ような新しい表現が生まれた。ホースシューグリルはボリードより幅広く設計され、攻撃性よりも抑制を感じさせる顔つきを形成している。リアには「シロン・プロフィレ」を想起させる優雅なブレンデッドウイングが採用されている。

ドアの後方ではボディが内側に絞り込まれ、リアホイールにかけて力強いヒップへと広がる。この極端なボディポスチャーは、通常は初期デザインスケッチにのみ見られるものだ。

■テーラーのアトリエを思わせる内装
インテリアはボリードのレーシング志向のコックピットから大きく離れ、テーラーのアトリエのような温かみを持つ空間となっている。「アンブル・ヴォワイヤジュール」と名付けられた温かみのあるブラウンのレザーとヌバック、そして先進的な3Dニット素材の3つの素材が内装を構成する。

ニット素材にはコッパーの糸が織り込まれ、キャビン全体を流れる円形の「ハローライン」パターンを形成している。エクステリアで採用されたハンマード仕上げの加飾は、ドアオープナー、エアベント、ステアリングホイールハブ、エントリープレートの4か所にも採用されている。キャビン中央にはブランドの起源へのオマージュとして、小さなフランス国旗が配置されている。

■心臓部はW16・1600PS
ボディの下には、ボリードのW16クワッドターボ8.0リットルエンジンが搭載され、1600PSを発生する。これはブガッティのエンジン開発の頂点に位置するパワーユニットだ。ただし、デストリエのストーリーはあくまでプロポーションと職人技にあり、純粋な性能はあくまで付随する要素として位置づけられている。

ブガッティ・デストリエは、8月16日に米国で開催されるペブルビーチ・コンクール・デレガンスで初公開される予定だ。