注目の自動車ニュース
VW『ID.Buzz』で自動運転サービス、2026年春ノルウェー・オスロで開始へ
ノルウェーの公共交通事業者ルーターと自動運転車両運行事業者ホロは、フォルクスワーゲングループの自動運転モビリティブランドMOIAと提携し、オスロにおける次世代のシェア型オンデマンド自動運転交通サービスを展開すると発表した。2026年春からサービスを開始する。
MOIAは、専用設計の自動運転電気自動車『ID.Buzz』と、実績のあるアプリソリューションを含む運行ソフトウェアプラットフォーム、さらに運行支援サービスを組み合わせたターンキーソリューションを提供する。ホロは北欧全域で自動運転モビリティサービスを運営してきた運用ノウハウを活用し、ルーターは持続可能なモビリティに関する戦略的取り組みの中でプロジェクトを推進する。
MOIAの自動運転ID.Buzzは、シェア型オンデマンドモビリティ専用に設計されている。カメラ、ライダー、レーダーを組み合わせた包括的なセンサー群が周囲を360度連続的に監視し、高性能コンピューターがデータを正確な運転指令に変換する。車内には、認証から車内環境の監視まで、従来は人間のドライバーが担っていた二次的な安全業務を処理するインテリジェント乗客管理システムを搭載している。
車両は広々とした空間設計で乗客にパーソナルスペースを提供し、大型スライドドアにより安全で容易な乗降を実現する。MOIAの予約アプリと組み合わせることで、シームレスな顧客体験を提供する。
MOIAにとって今回のプロジェクトは、欧州全域で自動運転モビリティを拡大し、ターンキーソリューションの商業的準備が整っていることを証明する重要な節目となる。同社はハンブルクでの豊富なライドプーリング経験を基盤とし、ベルリンのBVGやハンブルガー・ホッホバーンとの公共交通プロジェクトを通じて事業基盤を強化している。ミュンヘン、オースティン、ロサンゼルスでもテスト活動を展開し、複数の大陸でドライバー運転から自動運転への都市モビリティの移行を推進している。
MOIAは2027年を目標に、自動運転ID.BuzzのEU型式認証取得に取り組んでおり、これはレベル4自動運転用に製造された欧州初の量産対応自動運転車両となる見込みだ。
オスロのグロルダーレンにおけるシェア型オンデマンド自動運転車両のパイロットプロジェクトは、公共交通を補完し自動車依存を減らす柔軟で持続可能な交通ソリューションを開発するルーターの広範な戦略の一環。オスロ研究によると、約3万台のシェア型自動運転車両を公共交通ネットワークに統合することで、渋滞と排出量を大幅に削減できる可能性がある。
2023年以降、ルーターとホロはグロルダーレンで自動運転オンデマンド公共交通サービスの試験運行を実施してきた。このパイロットプロジェクトは、複雑な都市交通環境でシェア型自動運転交通サービスを運営するための貴重な知見を収集している。このプロジェクトは、欧州連合のホライズンヨーロッパ研究イノベーションプログラムから資金提供を受けるULTIMOコンソーシアムの一部であり、欧州全域の都市、交通事業者、技術プロバイダー、研究機関が協力して自動運転シェアモビリティソリューションを推進している。












