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5000万円超えの「911」、F.A.ポルシェ生誕90年記念の『911 GT3』発表…世界90台限定
ポルシェは、2025年12月11日に生誕90年を迎えたフェルディナンド・アレクサンダー(F.A.)ポルシェに敬意を示した限定車『911 GT3 90 F.A.ポルシェ』を発表した。90台を限定生産する。
この個性的な記念モデルのエクステリアとインテリアは、先見の明に富んだデザイナーF.A.ポルシェ(2012年4月に死去)が、1980年代にドライブした「Gシリーズ」の『911』にインスピレーションを得ている。911 GT3 90 F.A.ポルシェは、エレガントなヘリテージデザインの要素も取り入れ、ポルシェの「ゾンダーブンシュ(ドイツ語で"特別な願い")」プログラムによって90台製造される。
そのうちの1台は、F.A.ポルシェの子息であるマルク・ポルシェが購入した。このコレクターズモデルの購入者は、自分だけのアニバーサリーカーをさらに個性化できるユニークな体験も得られる。
911 GT3 90 F.A.ポルシェは、2026年4月から注文可能となる予定だ。この限定車両には、伝説的なポルシェデザインクロノグラフ1の特別限定モデルと、特製ウィークエンダーバッグが付属する。
「形態は機能に従う」というのがF.A.ポルシェのデザイン信条だった。ポルシェ911のデザイナーとして、すでにF.A.ポルシェは、妥協なく本質まで切り詰めるというビジョンを実現していた。
1972年、F.A.ポルシェは弟のハンス=ペーター・ポルシェと共同でデザインスタジオを設立し、ポルシェデザインと命名した。F.A.ポルシェがつくった腕時計「クロノグラフ1」や、レンズ交換が可能なサングラス「P'8478」などの作品は、たちまちモダンデザインの古典となった。2025年12月11日は、F.A.ポルシェの生誕90年にあたる。
これを記念して、ゾンダーブンシュのエキスパートは、F.A.ポルシェの末っ子であるマルク・ポルシェと協力し、特別な記念モデルとして911 GT3 90 F.A.ポルシェをデザインした。そのうちの1台はマルク・ポルシェが所有し、残りの89台が世界中の顧客に提供される。
マルク・ポルシェは言う。「この特別な911は、きっと父も気に入ったことだろう。このエキサイティングなプロジェクトでは、多くのディテールに関して父の好みを取り入れた。このモデルのために特別につくったF.A.グリーンメタリック塗装は、父の911のオークグリーンメタリックを連想させるもの。シートセンターに使用されているF.A.グリッド織りファブリックは、父のお気に入りのジャケットの柄と響き合っている。」
911 GT3 90 F.A.ポルシェは、2026年4月から日本でも注文可能となり、価格は5071万円(消費税込)を予定している。購入者はゾンダーブンシュによる最終的な個別設定の完了後、2026年後半に生産が開始される予定だ。
このコレクターズアイテムのベースとなったのは、展開式リアスポイラーを装備した『911 GT3ツーリングパッケージ』だ。自然吸気4.0リットル水平対向6気筒エンジンは、最高出力375kW(510PS)、最大トルク450Nmを発生する。
記念モデルの専用塗装仕上げの名称は「F.A.グリーンメタリック」だ。F.A.ポルシェの愛車だった911の象徴的なオークグリーンメタリックにヒントを得て、ポルシェ家と協力してペイント・トゥ・サンプルのエキスパートがこの色調をつくった。
2026年以降、該当する全車両のAピラーに「Paint to Sample」と「Paint to Sample Plus」と書かれた専用ラベルが貼付される。本記念モデルは、この新しいラベルが付いた最初のモデルとなる。
特別なエクステリアのもうひとつの特徴は、911 GT3のツーリングパッケージには設定されていない、サテングロスブラック塗装のスポーツクラシックホイールだ。クラシックなフックスのリムにヒントを得ながら、中央ロック機構や、ホイールハブカバーにあしらわれた歴史的な1963年のクレストなど、ディテールまでこだわりが見て取れる。
トランクリッドのグリルには、「90 F.A. Porsche」ロゴ入りの亜鉛メッキゴールドのバッジが備わっている。
トリュフブラウンのクラブレザーのインテリアを引き立てるチョークベージュの装飾ステッチと、特別なF.A.グリッド織りファブリックのシートセンターパネルは、F.A.ポルシェをなつかしむ特別な雰囲気をかもし出している。
このF.A.グリッド織りは、グローブボックス、ボードブリーフケース、ラゲッジルームのリバーシブルマットにも採用されている。生地の柄は5色で、ブラック、グリーン、トリュフブラウン、クリーム、ボルドーレッドの糸を織り込んだものだ。
「父のお気に入りのジャケットは、まさにこの柄。鉛筆、パイプ、灰皿と同様、このジャケットも私の子供時代の思い出の一部で、父の自宅やオフィスと切っても切れない関係にあるように感じる」とマルク・ポルシェは言う。
インストルメントパネルの上部に配されたスポーツクロノウォッチのベースになったのは、F.A.ポルシェのために製作された一点物のオリジナルのクロノグラフ1だ。
もうひとつ、インテリアのハイライトとなるのは、F.A.ポルシェのサインを刻んだプレートを取り付けたシフトノブで、これはオープンポア仕上げのウォールナット合板でできている。
ダッシュボードの装飾トリムには、サインのレプリカ、オリジナルの911のシルエット、「One of 90」の文字をあしらったもう一枚のゴールドメッキのプレートが配されており、この911 GT3 90 F.A.ポルシェが希少価値の高い限定コレクターズアイテムであることを示している。
さらに、センターコンソールの収納コンパートメントには、ラゲッジコンパートメントリッドのバッジと同じデザインのエンボス加工が施されている。












