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テラヘルツ技術でレベル3自動運転を実現、4Dイメージングセンサー開発…米Teradar

  • 《photo by Teradar》

米国のテラダー(Teradar)社は、テラヘルツ帯域を活用した革新的な4Dイメージングセンサーを開発したと発表した。

自動運転技術の次世代発展において、SAEレベル3(L3)の実現が重要な課題となっている。現在のセンサー技術では、カメラは悪天候や低照度で性能が低下し、レーダーは解像度が低く、ライダーは霧や雨で信号が散乱するという限界がある。

そこでテラダー社は、テラヘルツ帯域を活用した革新的な4Dイメージングセンサーを開発し、これらの課題を解決する技術を発表した。同社のセンサーは、従来のレーダー(堅牢だが低解像度)とライダー・赤外線(高解像度だが悪天候に弱い)の間の「ゴルディロックス」帯域を活用している。

テラヘルツ信号は空中の水滴や粒子を回避して通過するため、霧、雨、雪の中でも長距離検知が可能だ。解像度は現在の自動車用レーダーの10倍から20倍に向上し、歩行者、オートバイ、タイヤ、破片などの物体を正確に検知・分類できる。

同センサーは完全なチップベースのソリッドステート設計により、可動部品やMEMSを排除し、耐久性と耐振動性を大幅に向上させた。モジュラー設計により車両のバンパーやグリルへの統合が容易で、標準的な半導体プロセスで製造できるため、大量生産時のコスト削減も実現する。

テラダーのセンサーをカメラと組み合わせることで、ライダーを使用せずにL3自動運転に必要な精密で堅牢な認識システムを構築できる。カメラが苦手とする悪天候や夜間でも、テラダーが鮮明な検知と分類を提供し、従来のライダー搭載システムと同等以上の性能を大幅に低いコストで実現する。

同社の技術により、L3自動運転の大衆化に向けた重要な技術的・経済的障壁が取り除かれ、数百万台規模での実用化が現実的になると期待される。