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日産 リーフ 新型をライバルと比較…アリア、テスラ、bZ4Xと何が違う?
日産自動車が6月17日に発表した新型『リーフ』は、クロスオーバータイプのバッテリー搭載のフル電動電気自動車(BEV)である。航続やパワートレイン、運転支援機能などが刷新されており、競合モデルとの違いが注目される。
●ライバルは?
もとより選択肢の少ないBEVでは、新型リーフとの直接の競合は見当たらない。本稿では、市場セグメントの近いトヨタ『bZ4X』、テスラ『モデルY』、日産『アリア』との比較を通じ、新型リーフの市場における位置付けを整理する。
bZ4XはSUV、モデルYはセダン、アリアはクロスオーバーSUVで、新型リーフもクロスオーバーSUV。アリアがプレミアムカーであるのに対し、新型リーフはファミリーカーだ。
●航続距離とバッテリー性能
新型リーフの航続は、2WD、75kWhバッテリー仕様で日欧のWLTCモードで600km以上を実現する。これに対し、アリア(2WD、91kWh)は640km、モデルYロングレンジ(2WD、75kWh)は635km、bZ4X(2WD、71.4kWh)は559~567kmとなっている。
航続距離の数字の単純比較では、新型リーフの600kmは長い方ではない。しかし車格を考慮すると、なかなかの長距離と言えるかも。
新型リーフのモーター最高出力は130kW(52kWhバッテリーモデル)または160kW(75kWhバッテリーモデル)で、最大トルクはそれぞれ345Nm、355Nmだ。競合各車の最高出力は、モデルY(2WD)が220kW、アリア(2WD)が160kW、bZ4X(2WD)が150kW。
新型リーフの動力性能は、こちらもあまり印象的な数値ではない。日産によると新型リーフは、乗り心地を重視したサスペンション設計とあわせて、スムーズで静かな走行性能が意図された。静粛性や実用性を重視するユーザーに焦点を当てているという。
●運転支援「ProPILOT 2.0」を装備
新型リーフは、日本仕様で「ProPILOT 2.0」を搭載し、高速道路でのハンズオフ走行にも対応可能。さらに、3Dビューやインビジブルフードビューなどを備えた「インテリジェントアラウンドビューモニター」や、バッテリー温調制御付きのナビ連動エネルギーマネジメントなど、多彩な機能を持つ。
モデルYはオートパイロットが特徴だが、法規制の違いから日本市場では一部制限あり。bZ4Xやアリアも先進運転支援を搭載するが、走行支援の完成度ではProPILOT 2.0の搭載は競争力となるだろう。
●先行BEVよりコンパクトなサイズ
車体の寸法は、全長の長い順に、モデルY:全長4800 mm×全幅1920mm×全高1625 mm、bZ4X:全長4690mm×全幅1860mm×全高1650mm、アリア:全長4595mm×全幅1850mm×全高1665mm、新型リーフ(日本仕様):全長4360mm×全幅1810mm×全高1550mmとなっている。新型リーフは先発のBEVと比べてコンパクトな車体を持つ。
●価格と車格
価格(消費税抜き)を比べると、アリアは599万1000~782万1000円、モデルYは540万9091~621万7273円、bZ4Xは500万~545万4545円。
新型リーフの価格は発表されていないが、従来型の日本仕様は371万~530万4000円なので、新型の価格は400万円台前半~500万円台後半と予想される。新型リーフは先発のBEVと比べて価格面でもコンパクトになりそうだ。
新型リーフは、ハイパフォーマンス志向のモデルとは一線を画し、日常使いにおけるバランスの取れたEVとして企画されたようだ。価格帯と装備内容の詳細発表が待たれるが、CセグメントEV市場における有力な選択肢となることが期待される。